坂本岳、公開計量1.1kgオーバー(再計量はパス) - DEEP OSAKA IMPACT 2025 5th ROUND
DEEP OSAKA IMPACT 2025 で坂本岳が公開計量を1.1kgオーバー(再計量はパス)。安井選手に続く計量トラブルの背景にある、JTTの“自己管理型”減量体制の問題点と、専属S&C導入の必要性を解説します。

DEEP OSAKA IMPACT 2025 5th ROUND に出場予定の 坂本岳 が、当日計量で 62.8kg を計測。バンタム級(ノンタイトル)のリミット 61.7kg を 1.1kgオーバー する結果となった。
追記:再計量はパスできた模様。
DEEPのルールでは、公開計量後3時間以内の再計量でパスすれば試合自体は成立可能だが、相手陣営の判断や条件(ファイトマネーの減額、キャッチウェイト化など)が絡むため、現時点では予断を許さない状況だ。
■ JTTで続く“減量ギリギリ問題”
最近では 安井飛馬選手 も計量をギリギリで突破しており、当ブログでは一貫して JTTの減量・水抜き・リカバリー管理が各選手の自己判断に委ねられすぎている点 を問題視してきた。
これは個々の選手が努力不足という話ではなく、 ジムとして統一的な減量管理・コンディショニング管理のシステムが存在しない構造的な問題 である。
減量は、
- どの期間で何kg落とすか
- 水抜き量の設定
- リカバリーの順序
- ナトリウム・炭水化物の再補給
- 試合前日の練習内容の調整
といった細かい要素が勝敗に直結する“競技の一部”であるにもかかわらず、日本の多くのジムでは依然として 自己流 に頼っている現実がある。
■ 科学的に見ても「年間を通した管理者」は不可欠
アップロードされている海外S&C文献でも強調されているように、
MMAは年間を通してフィジカル・体組成・コンディションを管理しなければ、短期のFight Campだけでは性能が安定しない。 (参考:『Developing an Annual Training Program for the Mixed Martial Arts Athlete』)
また、減量は 技術練習以上に疲労を生む ため、 Fight Camp期のトレーニング管理とも密接に連動する必要がある。
S&C(ストレングス&コンディショニング)コーチが年間を通じて選手を管理する欧米式のスタイルが、結果的に「減量の安定」も生む。
現状のJTTは、トレーナー不在というわけではないが、 「重量管理・体脂肪管理・コンディション管理・リカバリー管理」を包括的に担当する“パフォーマンス部門”が存在しない。
その結果、
- 試合が近づかないと体重管理が始まらない
- 水抜き量の最適化がされない
- Fight Weekの疲労が抜けきらない
- コンディションの波が激しい
といった問題が繰り返し起こっている。
■ このタイミングで、JTTに必要なもの
端的に言えば、
✔ 専属のS&Cコーチ(あるいはパフォーマンス責任者)の導入
これに尽きる。
役割としては、
● 年間を通した体重のベース管理
- 無理のない筋量
- 余計な脂肪をためないオフキャンプ設計
● 減量・水抜きプロトコルの統一
- 選手ごとの“最適な水抜き量”の設定
- リカバリー手順のマニュアル化
● 技術練習との疲労管理(神経系疲労の可視化など)
- VBTやRPEを用いた客観的管理 (参考:『Velocity-Based Training for Combat Sports』)
● Fight Camp期のピーキング設計
- 減量とピーキングが衝突しないよう調整
こうした役割を専門家が担うことで、
- 計量ミスが減る
- Fight Campの質が上がる
- 当日のコンディションが安定する
- 選手寿命が伸びる
というメリットが得られる。
■ 坂本選手の件は「偶然」ではなく“必然”かもしれない
坂本選手は決してサボっているわけではない。 むしろ真面目さと勤勉さはよく知られている。
だからこそ、 優秀な選手でも計量が安定しない――という事実そのものがJTTの構造的な課題を示している。
個々の努力では限界があり、 今後、タイトル戦線を本気で狙うなら、 ジムとして“組織的コンディショニング”へ舵を切る時期に来ている。
■ 結び:JTTが次のステージへ進むために
今回の計量オーバーは、 単なるミスではなく「改善すべきシステム」を明確に照らし出している。
- 技術は日本トップクラス
- 選手層も厚い
- 若い才能も多い
だからこそ、 体重管理・フィジカル管理という“土台”を強化することで、JTTはさらに強いチームへ進化できる。
試合が成立するかどうかは今後の再計量と相手陣営次第だが、 今回の出来事は ジムとしてのターニングポイント になる可能性が高い。