DEEP OSAKA IMPACT 2025 5th ROUND | JTT勢試合感想
坂本岳(JTT)が堂園悠に初回KO負け。計量失敗後の試合で何が起きたのか?堂園の得意パターン、坂本の判断ミス、レスリングを活かせなかった戦略的敗因をMMA技術視点で丁寧に分析します。
堂園 悠(修和館) vs 坂本 岳(JAPAN TOP TEAM)
DEEPバンタム級/5分2R
■ 計量
坂本は公開計量でパスできず、その後の再計量でクリア。 堂園は公開計量で問題なくクリア。
■ 試合展開
◆ 1R
序盤、坂本のインローに堂園がストレートのカウンターを狙うも空振り。最初からタイミングが合っている。インローに合わせる対策してきたと思われる。
両者がインカーフ中心の蹴り合いを続ける中、堂園が得意のサークリングを開始。坂本はそれを追う形で前進する。
前手で相手の手を払ってから坂本の右ストレートがヒット。追撃しようとした瞬間、堂園のカウンターの右フックがクリーンヒットし、そのまま試合終了。
■ 感想・技術的考察
ファイトパンツをグラップリングしやすいものに変更して、よりレスリング・グラップリング寄りの闘い方に変更していくのだろうと思っていた。
しかし、試合開始からタックルにいく気配がなく壁に詰めたタイミングでも組みにいかず、あれよあれよと近距離の撃ち合いになりそのままKOされ試合が終わってしまった。
今回の試合は、試合内容そのものよりも「準備と判断」の部分に強い違和感が残った。
堂園選手は、 “サークリングしながら、入ってきた相手にカウンターを合わせる” という勝ちパターンを持つ選手で、それは映像でも過去試合でも明確な武器として認知されている。
一方、坂本選手は
- レスリング
- グラップリング
- ケージレスリング
いずれも堂園選手より優位と考えられるマッチアップだった。 つまり本来は 相手の土俵(カウンター打ち)に入らず、自分の強み(組み)で試合を作るべき試合 だった。
にもかかわらず、 当てられ感に満ちた“危険な距離管理”のまま正面から殴り合いに付き合ってしまった。
●「パンチが当たったら殴り合いに行く」という悪癖
坂本選手は、パンチがヒットした瞬間にスイッチが入り、 「KOしに行く」→「正面から打ち合う」 という選択をしがち。
しかしこれは、 自分の強み(レスリング)を捨て、弱点(打ち合いの被弾リスク)に身を投げてしまう選択 であり、今回のようにワンカウンターで終わる結末に繋がりやすい。
左ストレートが当たった瞬間、 最適解は “そのままタックルに切り替えること” だったのは明らかだ。
●なぜ壁に押し込んだ瞬間にTDへ行かなかったのか?
堂園選手がケージに下がったタイミングは複数あった。 そこは本来 坂本選手の勝ちパターンへ移行する絶好のタイミング だったはず。
- 壁レスで押し込む
- シングル or ダブルへ連携
- 体力差・組み力を押し付ける
それなのに、なぜかそこで殴り合いを選択している。
セコンドに山本選手がついていたことから、 チームとしても組みの展開は想定していたはず。 だからこそ、試合中の判断とのギャップが余計に大きく感じられた。
●今回の被弾ダメージは深刻
あのカウンターは映像で見てもかなり深く入り、 キャリアに影響が出かねないレベルのダメージ を受けている印象がある。
短期的にはもちろん、 中長期的にも十分な休養と回復期間が必要だろう。
■ 今後への提言
坂本選手は
- 技術
- フィジカル
- レスリング
- 粘り強さ
どれも間違いなく高い水準にある選手。
しかし、 試合運び・方針・判断 という“勝つための作法”の部分が噛み合っていない。
具体的には以下の改善が急務だと感じる。
◎ 改善すべきポイント
- まず、自分が当てられ感が高い選手だという認識を持つ
- ヒット後に殴り合いに切り替えてしまう癖の修正
- 自分の得意領域(組み)へ試合を運ぶ意識の徹底
- 相手の得意パターンに入らない距離構築と判断力
- チームとしての作戦徹底と、試合中の遂行力向上
■ まとめ
坂本選手は、本来もっと高いポテンシャルを持つ選手だ。 だからこそ今回は残念で、課題が明確に浮き上がった試合でもある。
技術もフィジカルも環境も揃っている。 必要なのは「勝ち筋を徹底すること」だけ。
余計なダメージを受け続けてしまう今の戦い方から脱却し、 自分の強みを最大限に活かせる選手に戻ってほしい。
心からそう願っている。
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