DEEP TOKYO IMPACT 2025 6th ROUND|JTT勢の試合予想

FKT王者・仁井田右楽のプロ初戦ほか、秋元優志・高尾凌生・佐藤聖優の計4試合を技術面から予想。距離管理、ショット、壁レス、TDD、グラップリングの勝ち筋を解説。

試合予想・展望
仁井田右楽 秋元優志 髙尾凌生 佐藤聖優
DEEP TOKYO IMPACT 2025 6th ROUND|JTT勢の試合予想
大会名 DEEP TOKYO IMPACT 2025 6th ROUND
記事種別 試合予想

本稿で扱うJTTの若手――仁井田右楽、高尾凌生、佐藤聖優の3名は朝倉海のYouTubeチャンネルにも登場し、弟子的な立ち位置で注目を集める新世代。そのバックグラウンドも踏まえて、DEEP TOKYO IMPACT 2025 6th ROUNDの勝敗を技術面から読み解く。

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仁井田 右楽(JAPAN TOP TEAM)vs 左京(レンジャージム)

DEEP 60kg以下|5分2R

試合の背景

FKT(Future King Tournament)優勝の仁井田右楽がプロデビュー。対する左京は空手ベースの構えを持つストライカーで、こちらもプロ初戦。キック大会出場歴もある同世代対決だ。 契約体重は60kg。この体重設定がどちらに作用するかにも注目したい。

試合予想

仁井田は極真空手出身ながら、現状はグラップリング色が濃い。一方の左京はキック出身だが、組みやグラップリングも狙うオフェンシブなオールラウンダー。特徴はリーチ。身長比で腕が長く、遠間のパンチ→近距離クリンチ→ケージ際の展開→テイクダウン(TD)→サブミッション、もしくは押し込んでからの離れ際のパンチという王道のMMAストライク戦術を持つ。選手本人だけでなく、コーチ陣のMMA理解も高いと感じる。

予想としては、仁井田が苦戦する可能性を見ている。理由はFKT時の被弾対応。顔面打撃への反応が鈍く、決勝も危ない場面があった。最終的に下からの三角→腕十字で勝ったが、打撃ディフェンスの課題をクリアしないと、プロでは安定しづらいし、被KOや蓄積ダメージのリスクも増す。

原因として考えるのは距離認識(レンジ)と設定の甘さ。相手のパンチが届く間合いにいながらガード意識が薄くなる、前進圧を受けると足が止まる傾向がある、などスタンドの守備面に問題がある。

比較対象としてJTTの安井飛馬を挙げると、大きな差は打撃への警戒と、打撃に合わせるカウンタータックル(ショット)の有無。安井は強打者ではないが間合い管理と合わせのタックルが巧く、ショットを「スタンドのオフェンス」として機能させられている。対して仁井田はこれまでの試合映像ではパンチに対するカウンターTDが手札にないように見えた。

とはいえ、これらはFKT時点の評価。若い選手は伸びが速いので、すでに改善している可能性は十分ある。グラウンドになれば、仁井田が下から極める絵もある。一方で、映像の範囲では左京に突出したグラウンドコントロール/サブミッションは見えない。 総じて、噛み合わせとしては左京やや有利。ただし展開次第で仁井田にも勝機が生まれる。


秋元 優志(JAPAN TOP TEAM)vs 国分 獅斗(THE BLACK BELT JAPAN)

DEEP フライ級|3分2R|アマチュアSルール

試合の背景

元BBJ所属の秋元優志と、現BBJ所属の国分獅斗という“柏BBJゆかり”の一戦。国分は柔道経験があり、MMA歴はまだ長くないが、地下格の映像ではストライカー寄りの戦い方。 秋元優志は秋元強真の兄。いったん競技から離れてBDで2戦ののち、今回MMAに復帰。

試合予想

秋元のパンチのフォーム・切れ・威力は確か。ただしそれを生かす精度と組み立てが未完成。BDの2試合はその傾向が出て、鋭いワンツーや回転の速さは見せたが、詰め切れず判定負け。短い1分ルールで設計を発揮する難しさもあっただろう。組み・壁レス・グラップリングも、ジョリー戦の印象では課題が残る。

両者の型は現時点で近い。打撃は秋元、組は柔道ベースの国分という見立てで、グラップリングは未知。相性的には国分有利と判断する。 国分はスタンドで打ち合いながら本命の組みを通しに行く。一方の秋元は打撃で進めつつ組みを拒否したい。構造的に国分が主導を握りやすい。 ただし、国分のグラップリング実力次第で図式は反転の余地あり。秋元が寝技で上回るなら秋元有利に振れる。


高尾 凌生(JAPAN TOP TEAM)vs 菊池 佳歩(IRIE BASE)

DEEP バンタム級|3分2R|アマチュアSルール

試合の背景

JTT期待の若手・高尾のアマMMA2戦目。相手は藤野恵実(藤野親方)の夫・津田氏が代表のIRIE BASE所属、菊池佳歩。バックボーンは野球。地下格やDEEPの映像がある。 津田氏はJTTと直接関係はないが、JTT山本のセコンドについたことがある。MMAグラップリング面のセコンドができるコーチが少ない事から藤野親方経由で依頼したのであろう。

試合予想

高尾はフレーム的に本来はフライ適性だが、アマのうちはバンタムで減量を抑えつつ試合経験を積む方針と見える。菊池は体づくりが進めばバンタム適性寄り。フィジカルでは前戦同様、高尾が不利な組み合わせ。

菊池は打撃+TDD(テイクダウンディフェンス)+ゲットアップの典型的ストライカー。四つのバランスも悪くないが、打撃・組・寝技すべて発展途上。 高尾はK-1系の現代的キックのパンチがあり、経歴以上にスクランブルの強さと四つの粘りがある。同期・近階級にはフリースタイルの佐藤聖優、グラップリングの仁井田という良い刺激がある環境。

比較すると、打撃は高尾優勢/組・壁は互角〜高尾わずかに上/寝技は不明/フィジカルは菊池。鍵は**戦略の持ち込み方と“求める勝ち方”**だ。

前戦は僅差判定で、高尾が組まれている時間が長かったためSNSで判定に異論も出た。そこから「明確な勝ち=KO」を求めたくなる心理は理解できる。ただ、このマッチアップでKOに固執すると、当て急ぎによる組み立ての粗さで空回りしやすい。 3分2Rという短いMMAで空回りは致命的に近い。アマはKOを狙う場所ではなく“技と戦術を試して武器化する場”。ここは前戦同様、ショット(レベルチェンジ→踏み込み)の併用でスタンドの攻撃を散らし、結果としてKOできれば理想、くらいの塩梅が良い。そうすれば打撃技術差が出やすい

また、スクランブルで上を取れたらコントロール時間の創出にもトライしたい。前戦はコントロールまで至らなかったため、パウンド→パス/サブミッションに繋げる“仕上げ”の手順を持ち込みたい。


佐藤 聖優(JAPAN TOP TEAM)vs 佐藤 凛(KATANA GYM)

DEEP バンタム級|3分2R|アマチュアSルール

試合の背景

JTTの期待株・佐藤聖優のアマMMA2戦目。相手は日本拳法出身の佐藤凛。“佐藤対決”。凛の試合映像は見当たらないが、AMMACで数試合経験し、DEEPアマに参戦との情報。聖優はフリースタイル出身でJTTでMMAを学ぶ。

試合予想

フリースタイル vs 日本拳法で、両者のMMA経験が短いぶん、ベースの特徴が出やすい。 遠間からのショット→TDに強みがあるフリースタイルと、遠間からのステップイン打撃が持ち味の日本拳法。構造的にはフリースタイル有利。ただし、聖優が強振の打撃に怯むと話は変わる。前戦では相手打撃に自然なバックステップで対応できていたので大丈夫とは思うが、未体験の強打に晒された際の反応は未知数。

基本線はTD能力に優れる聖優が有利で、勝負の分かれ目はTD後。前戦はポジション確保より先にパウンドに行く場面が目立ち、“初戦らしい”粗さがあったが、土台の組力は別格。対する凛はAMMAC経験で落ち着いた試合運びが見込める。聖優がポジションの整備に手間取る間のリバーサルや、下からのサブミッションは凛の勝ち筋。

それでもトータルでは聖優優勢。伸ばしてほしい到達目標を挙げる。

  • 打撃のやり取り→ショットの連携
  • スタンドのプレッシャーでの位置取り (中央確保→相手を壁に背負わせる)
  • グラップリングでのコントロール→適切なパウンド→パスやサブミッション

全部達成できればすでにプロ水準。成長のプロセスが見られたら最高だ。


注釈・用語統一

  • ショット :レベルチェンジからの踏み込みで一気に距離を潰し、片脚または両脚を捕まえてTDへ繋ぐタックルの“入り”。

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